ヒトコト図書館掲示板

髙橋キヌ、28歳独身。月に読む本は150冊以上、本代は常に10万円。ページのあいだに棲んでいます。

最果てアーケード

この間、ガッチガチ理系&リアリストに「小説とか俺いちばん嫌いやわーおんなじような言い回しめっちゃ出てくるし。あんなん箇条書きでいいやん?」と言われて、反論するのにいい言葉が見つからなかったのですが。

 

あれですね、小説のいいところは好きなように妄想できることですね。

頭の中で作る映像には、予算がありませんから。

どんなに作り込まれた時代背景も再現できるし、魔法だって掛け放題だし、なんだったら登場人物の顔は自分の好みの顔にできるんです。

こんな幸せなことって、ないよね。

 

さて、自分の中で小説の有用性を再認識したところで、本日はこちらの小説をご紹介します。

最果てアーケード (講談社文庫)

最果てアーケード (講談社文庫)

 

あらすじはこんな感じ。

ここは、世界でいちばん小さなアーケード――。

愛するものを失った人々が、想い出を買いにくる。

小川洋子が贈る、切なくも美しい記憶のかけらの物語

愛する小川洋子先生のご本。何気に今回が初紹介ですねびっくりした。

 

皆様に脳内で再現していただく舞台はこちらです。

天井は低く、奥行きは限られ、ショーウインドーは箱庭ほどのスペースしかない。そのささやかさに相応しい品々が、ここでは取り扱われている。使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条(バネ)、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。どれもこれも窪みにはまったまま身動きが取れなくなり、じっと息を殺しているような品物たちばかりだ。――<本文より>

もう、なんて素敵!

個人的には、昨年旅行したパリで、こわごわと中をのぞいた古いアーケードを脳内で再生しながら読みました。

 

キヌの好きなヒトコトはこんな感じです。 

長年衣装係として布や糸に触り続けてきた指先がレースたちのささやき声を丹念に聞き取っていた。

 新しい本を一冊、棚の奥にすっと滑り込ませる感触が私は好きだった。

一冊分の厚みだけ自分の世界が広がったようで

一ページ一ページ、ちゃんと人の手と目が触れて、息がかかって、可愛がってもらった証拠が残っている。だから活字が柔らかい。

いろんなお店やさんが登場するのですが、やっぱり本関係に目がいってしまう(笑)

短編で読みやすいながら、一冊まるまる読むと大きな物語が完結するところが好き。壮大で、切ない物語です。

 

キヌもアンティークと呼ばれるものが好きで、いくつか持っていたりするのですが

死者より長生きした物たちの行く末を見守る。 

ほんとうにこのヒトコトの通りだなと思いました。特に着物とかね。

これからも、長いあいだ人の手の中で温められてきた、個性の強いものたちと生きていきたいです。そんなストーリーを抱えたものたちと出会いたい方はぜひ。

 

 

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