ヒトコト図書館掲示板

髙橋キヌ、28歳独身。月に読む本は150冊以上、本代は常に10万円。ページのあいだに棲んでいます。

TRIP TRAP トリップ・トラップ

大学5年生(1年ダブってるんですよねー実は)の頃、友だちから『なあ「アッシュベイビー」って小説知ってる?それに似てるんだよお前』 言われて以来、折に触れて金原ひとみ先生の小説を読んでいます。

今日大学のときの同窓会があったんですが、同じテーブル(7人)のうち、キヌを含めて4人が留年してました。類は友をよぶんですね…テキトーに座ったのに。

アッシュベイビー (集英社文庫)

アッシュベイビー (集英社文庫)

 

随分前に読んだので、ヒトコトを抜粋したりもしてなくて記事は書いていないのですが、確かにあの頃の私によく似てます。私のことよく見てるんだよなアイツ。 

 

この流れで、一番最近読んだ作品を。 

あらすじはこんな感じ。

中学校にも行かず半監禁状態の同棲生活。高校は中退しヤクザに怯えながらもナンパ男を利用して楽しむ沼津への無銭旅行。結婚後、夫への依存と育児に苦しみながら愛情と諦念の間を揺れ動くパリ、ハワイ、イタリアへの旅。そしてふと生きることに立ち止まり、急に訪れる江ノ島への日帰り旅行。少女から女、そして母となりやはり女へ。転がる石のようなマユがたどる6つの旅の物語。第27回織田作之助賞受賞作。

これはこれで、主人公の名前が会社の同期と一緒でどぎまぎしちゃいました。いやもう、その子のことはあんまり知らないから多分なんだけど、全然違う感じの子なのにね。

 

十五歳のくだりとか、割と身に覚えがありました。

お姉さんっていうか、おばさんだよ。心の中でそう思いながら、大人の女性に対する憧れと軽蔑が入り混じっていくのが分かった。

十八を過ぎたら女はおばさんになる。おばさんになった自分のことなんでどうでも良かった。十八を過ぎた私と、今の私は、全く別の生き物だ。今の私は、三年後に消滅する。

女は人生の中で何度も、完全に別物に生まれ変わる。

 

…正直、飲めるなら魔法瓶に入れたラム酒でも飲みつつ(こういう作家がいたとこの本で)読み進めたかったな。

人に抱きしめてもらったり、頭を撫でてもらったりする事でしか癒えない傷はあるし、それは永遠に、それ以外のものでは癒えないと思う。だからそうして簡単に私の望むものを与えてくれる祥の元に、私は留まり続けているのかもしれない。ずっと鬱屈していた怒りや悲しみが、一度優しく抱きしめられただけで溶けてしまうという、不条理で理不尽で情けない事実に、私はいつも屈する。

私は自分が知らない事がたくさんあって、たくさんありすぎて、だから自分が何なのかとかどこにいるのかとかが分かっていないだけなんじゃないかと思った。いつも誰かの何かになる事でしか自分を作れなかったけれど、結局そんな風にして作られた自分がその誰かとの関係の中で簡単に消滅してしまうわけで、そう考えると今私がすべき事は、このど田舎でドクターペッパーを飲むことじゃないのかもしれない。

昔、彼が行った何気ない冗談じみた言葉を、私は生きる糧にしていた。それがあって初めて、気持ちが落ち着いた。それがあって初めて、安心出来た。二十年間生きてきた中で初めてああ私生きていると思えた。それがなければ死んでいるも同然だった。

 
くそう、身に覚えがありすぎる。
身に覚えと言っても10代最後から20代前半の、恋愛の話だけどね。

 

今は自立したのか、それとも依存に値する男に出会えてないだけなのか…そんなことを思いながら、本を閉じました。紹介しておいてなんですが、キヌの中でもまだ未消化です。

 

自立したいけれど、この依存状態を壊す気はまだないのきっと。

迷惑そうな彼に腕を絡ませる。彼を見て思う。彼と一緒にいる間、私は何もしないでいられる。何もしないで良い場所が、彼の隣だった。

 

 

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欄外にはこの自分。キヌが子ども嫌いなのは、この辺から発生してるんじゃないかなって思うんですよねなんとなく。

弾けんばかりの笑顔で映っている、三歳くらいの女の子が、私は羨ましくて仕方なかった。誰が、私を一番大切な女性だと言ってくれるだろう。誰が、私を一番大切な女性だと思っているだろう。父親、夫、男友達、親友、仕事相手、日常的に関わっているそれらの誰一人として、私を一番大切な女性だとは思っていないような気がして、悲しみとその事に対するどこにもぶつけようのない怒りが沸き上がった。