ヒトコト図書館掲示板

髙橋キヌ、28歳独身。月に読む本は150冊以上、本代は常に10万円。ページのあいだに棲んでいます。

美しい果実

暑いときにご紹介したかった、ぞうっとするほど美しい本。

美しい果実 (幽BOOKS)

美しい果実 (幽BOOKS)

 

山田翠さんの装画(装丁は坂詰佳苗さん)に惹かれて購入しました。

今更ですがご紹介します。あらすじはこんな感じ。

結婚して五年目の夏、植物性皮膚硬化症候群にかかり、妻の恵理が倒れた。昏睡状態に陥った恵理を病院から連れだした俺は、農園に恵理を埋めた。それが彼女の遺言だった。謎の人物から農園の存在を知った恵理は、自ら埋められることを望んだ。農園には同じような境遇の男が大勢おり、自分のパートナーを丁寧に「栽培」している。やがて熟した女性たちは、かくも美しく甘美な果実となる――。

選考委員が驚愕した第九回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞作を含む連作集。

 

ある不治の病にかかった女性たちが「愛する人の手で生き埋めにされる」ことで、やがて美味しい果物としてよみがえる……っていう話です。

今あなたが無心で食べてしまったように、愛する人に食べてもらう、愛してもらう、それはとても幸せなことだと思いませんか。死んだあとも、パートナーに食べて愛してもらうことができるのです。

わからないでしょう。キヌも説明できません。 

 

皆、美しく、そして美味かった。

月明かりで、彼女たちが内包しているいくつもの果実が透けて見えた。

思わず見惚れ、そして嫉妬しそうになる外見をした果実

 

心の底からぞうっとしたいひとは読んでみてください。

きっと、怖いくらいに美味しいはずだから。

 

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きっと、俺は君と死んでいくんだと思っていた。たとえ互いが自分自身しか好きになれないとしても、死が二人を分つまで。君の手を握って。愛せない事をごまかすために、楽しいことを探し続けながら。