ヒトコト図書館掲示板

髙橋キヌ、29歳独身。月に読む本は150冊以上、本代は常に10万円。ページのあいだに棲んでいます。

愛と子宮に花束を ~夜のオネエサンの母娘論~

最近、「子宮」ってタイトルの本をたくさん見るのですが、なんででしょう?
子宮委員長はるちゃん先生(ややこしい)の啓蒙活動の影響が出てるんですかね?

愛と子宮に花束を ~夜のオネエサンの母娘論~

愛と子宮に花束を ~夜のオネエサンの母娘論~

 

内容はこんな感じ。

「あなたのことが許せないのは、 あなたが私が愛して愛して愛してやまない娘の 身体や心を傷つけることを平気でするから」 母はそう言い続けて、この世を去った――。

愛しているがゆえに疎ましい。 母と娘の関係は、いつの時代もこじれ気味なもの。ましてや、キャバクラや風俗、AV嬢など、「夜のオネエサン」とその母の関係は、こじれ加減に磨きがかかります。

「東大大学院修了、元日経新聞記者、キャバ嬢・AV経験あり」
そんな著者の母は、「私はあなたが詐欺で捕まってもテロで捕まっても 全力で味方するけど、AV女優になったら味方はできない」と、 娘を決して許さないまま愛し続けて、息を引き取りました。
そんな母を看病し、最期を看取る日々のなかで綴られた 自身の親子関係や、夜のオネエサンたちの家族模様。
エッジが立っててキュートでエッチで切ない 娘も息子もお母さんもお父さんも必読のエッセイ26編です。

 

センセーショナルな帯文を読んで手に取った本です。
ちゃんと読むまで、お母様は自殺なさったんだと思っていました。
本にも書いてありますが病死です。ほんととんだ誤解。そしてそこに潜む、水商売へのものすごい偏見。「自分の娘がそういう経験してたらそりゃ死にたくもなるよね」っていう、野次馬根性をベースを常識という大義名分で塗りつぶした残酷さが、自分の中に確かにあった。

 

ミスリーディングしておいてあれなのですが。
なんていうかそういう、ある種テンプレ的な母娘の確執からの突然の不幸!!!(ここちょっとテレビ欄的演出)とかではなくて。
どこにでもある、「母娘という関係だからこそのもどかしさ」をコトバにした本なのです。

大逆転を望むほど不自由ではないけど、私たちはワタシタチなりに自由になり得ない。母親たちの呪縛をいつも背骨と皮膚の間にゾワっと感じながら生き続けている。頼りがいがあって、影響力があって、なんだかんだ優しくて、冷めてはいないけど重すぎて苦しいほどでもなくて、そして代わりに私たちに、何であるのかよくわからない魔法をかけ続ける。愛だとかいう粉をふりかけながら。

母親たちは私たちを産み落とした時、全身で私たちの幸福を祈り、心のどこかでその幸福を何かに限定しているから。 

友人であったら楽しめたかもしれない違いが、楽しめない。ただ友人であったら停止していたかもしれない思考は止まらない。そのまま棚上げにして付き合うことも、切り捨てることもできない。

キヌも経験ありますし。やられているしやってますし。

そんな経験がですね、それはもう淡々と…少なくとも傍目から見て淡々と書かれている本です。

  

もちろんそのテーマ以外を書いているエッセイもあって、それも妙に胸にささったり。

「白馬の王子様を待ってる、なんて昔のお伽話じゃあるまいし」と、小馬鹿にするけど、死ぬほど貧乏で不自由で惨めな状況をいいオトコ利用して打破するなんて、まさしく超賢い。白馬の王子様なんていない、とぼやくアラサー女はたくさんみてきたけれど、白馬の王子様がいないんじゃなくて、通りすがりの使えるオトコを使いこなせる技量がないだけ、という気もする。

オンナは常に、自分にない価値を物質やらブランドで補うことに優れているのだ。キラリと光る才能や技術がなくても、人生は結構楽しめる。ママ、ピアノ弾けなくても英語がふわっとしかしゃべれなくても、私、自力で人気者になれたよ、と、久しぶりの白フレンチ、ストーン25個乗せのネイルを見ながらつぶやきたくなった。

どこの世界にも境界線があって、境界線の中の小さな世界は、私たちにとっていつも手狭であった。その手狭さを愛したところで、時が来れば強制退去させられて、前より少し大きい、それでもやはり手狭な世界に移動する。

深夜に思考が3回転半することはわかっているが、現実の行動を伴う判断を深夜にするのは結構まずい。

放っておいたら大抵の女子大生なんて、ちょっとキャバクラでバイトしたり違法なギャンブルしたりはするかもしれないけど、多くはすぐ飽きて、というか、両方やってみると、お嬢な女子大生でもやっておたほうが何かと効率がいいし見栄えもいいということにすぐ気づく。なのに、娘を新お会いして門限やら服装の変化やらに過敏になるせいで、娘は逆にあざとくなって、水商売を通り越してピンサロで働いちゃうなんて、お父さんにとっては皮肉なことだな、と思った。

結構厚めの本なのですが、すらすらさらさら読めました。

 

脚注にあった水商売事情もすっごく気になったので、

「リーダー」「ホスト長」「幹部補佐」「主任」「代表」

ホストの個人イベントでは、大抵エースと呼ばれる、彼の客の中で最もオカネを使う客がシャンパンタワーをするのが慣習である。タワーの段数とシャンパンの種類で値段が決まるが、歌舞伎町のタワーは安くて100万円、高いと500万円以上のものもある。

ホスクラと言えばシャンパンコール。多くのホスクラが独自のコールを開発・練習するのだが、コールの最中に、シャンパンを入れた客にマイクをふる。客は大抵「おめでとう」「今日もかっこいい」くらいでお茶を濁すのだが、プライバシーが守られるホスクラで唯一自分の存在を他客にアピールできる機会なので、たまに変なことを言ったり泣いたりする子もいる。

女の園であるキャバクラのバックヤードはいろいろとめんどくさい。明文化されていないルールを破ると居場所を失う可能性も。 

夜の世界の男にはかなりゲーマーが多く、現在では携帯ゲームの課金が月10万円という男も少なくないのだが、唯一、ゲーマーではない男の家に必ずあるゲームがウイイレである。

そのあたりがより濃密に描かれていそうなデビュー作も、買って読んでみようと思っています。

たぶんですがキヌは、「自分の中の、女っていう要素を生かしきれていないままに確実に老いていっている」という事実に怯えてるんですねきっと。

 

 

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ほんと、コトバの配列が好き。どうやったら思いつくんだろう。

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あと不倫といえば

不倫は男にとって火遊び、それならば特別気持ちがよいのがいい。何かでえばり、えばることで甘えることを許され、一時だけ「いい男」になりたいに決まってる。そしてそのえばるネタは大抵のキムタクでも山Pでも館ひろしでも葉加瀬太郎でもない男たちにとっては、お金くらいしか思いつかないのだ。そういった安易な男の「愛するよりもちやほやされたい願望」によって、今宵も吉原と歌舞伎町に明かりが灯る。 

やっぱり思い出すのはこの本。

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