ヒトコト図書館掲示板

髙橋キヌ、29歳独身。月に読む本は150冊以上、本代は常に10万円。ページのあいだに棲んでいます。

82年生まれ、キム・ジヨン

本日はこちらの本をご紹介します。 

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

峰なゆか先生が感想を上げているのを見てずっと読みたかったんですよね。

twitter.com

引用しようとしてクソリプ付いているのを発見。
twitterでも積極的に布教して行くことに決めました。
というわけで買ってきたのです。
登場人物の名前が韓国語なのでやや読みづらいかな…?
と思ったので、
相関図を作りました(ドヤァ

f:id:librarian_kinu:20190522213102j:image

f:id:librarian_kinu:20190318173836p:plain

仕事では出ないであろうこの熱量。
この本の紹介であれば、自由に使っていただいて構いません。
さて、改めて。
あらすじはこんな感じです。

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン
誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。
女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!
韓国で100万部突破!
異例の大ベストセラー小説、ついに邦訳刊行!
すでに台湾で翻訳出版、日本の次にはタイ。
これからベトナム、中国、イタリア、チェコ、フランス、インドネシア、スペインでも出版が決まっているそう。

 

主人公はキム・ジヨン(33歳)。
広告の仕事を辞め、今は専業主婦。
1歳になる娘、チョン・ジウォンを育てています。
ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのような言動を起こすように。
え、なんでかって? 
幼少期から我慢して。

同居していた祖母のコ・スンブン女史は、キム・ジヨン氏が弟の粉ミルクを食べてしまうのをひどく嫌った。つまみ食いをしたことが祖母にばれようものなら、口と鼻から粉が飛び出すほど背中をたたかれた。

祖母が怒るのは単に、キム・ジヨン氏がもう粉ミルクを飲む年齢じゃないからとか、弟の食べ物がなくなるからという理由ではなかったからだ。祖母の言葉の抑揚、目つき、頭の角度、肩をそびやかすようす、息づかいまで、すべてが一体となって作られていたあのメッセージを一言で表現するのは難しいが、頑張って再現してみるなら、私の大事な孫の食べものに「ぬけぬけと」手を出すなんて、というニュアンスになる。弟と弟のものは重要で、あだやおろそかにしてはならないのであり、よほどの人でない限り触っちゃいけないのだが、キム・ジヨン氏は「よほどの人」には及ばないということらしい。姉も同じことを感じていたのだろう。
炊き上がったばかりの温かいごはんが父、弟、祖母の順に配膳されるのは当たり前で、形がちゃんとしている豆腐や餃子などは弟の口に入り、姉とキム・ジヨン氏はかけらや形の崩れたものを食べるのが当然だった。箸、靴下、下着の上下、学校のかばんや上ばき入れも、弟のものはみんなちゃんと組になっていたり、デザインがそろっていたが、姉とキム・ジヨン氏のはばらばらなのも普通のことだった。傘が二本あれば弟が一本使い、姉妹は一本で相合傘をする。かけ布団が二枚あれば弟が一枚かけ、姉妹は二人で一枚にもぐる。お菓子が二つあれば弟が一個食べて姉妹が残りの一個を分け合う。
実際のところ幼いキム・ジヨン氏は、弟が特別扱いされているとか、うらやましいとか思ったことはなかった。だって、初めっからそうだったのだから。

学齢期も我慢して。 

そのとき(小学校)はわからなかった―なぜ出席番号は男子から先についているのか。出席番号の一番は男子で、何でも男子から始まり、男子が咲きなのが当然で自然なことだと思っていた。男子が先に整列し、先に移動し、先に発表し、先に宿題の点検を受けている間、女子はちょっと退屈しながら、ときにはラッキーと思いながら、全然おかしいとは思わずにおとなしく自分の番が来るのを待っていた。 

高校に入ってあっという間に行動半径が広がってみると、世界は広く、変態は多かった。バスや地下鉄の中で伸びてきて、お尻や胸元をかすめていく不審な手は少なくないのだ。腿や背中に遠慮なく体を密着させてすりつけてくる人でなしもいる。放課後に予備校に通う男子校生も、熱心に教会に通う男子も、親切な家庭教師のお兄さんたちだって電車に乗れば、肩に手を載せたり、首を撫でたり、ブラウスや開襟シャツの襟あきやボタンの間をちらちら見たりする。女の子たちは鳥肌を立てながら体をよけるだけで、声を上げることもできなかった。

女の子たちは自分でも気づかないうちに、男性への幻滅と恐怖を心の奥にどんどんためこんでいった。 

キム・ジヨン氏はその日、父にひどく叱られた。何でそんな遠くの予備校に行くんだ、何で誰とでも口をきくんだ、何でスカートがそんなに短いんだ……。そんなふうに育てられてきたのだった。気をつけろ、服装をきちんとしろ、立ち居振る舞いを正せ、危ない道、危ない時間、危ない人はちゃんと見分けて避けなさいと。気づかずに避けられなかったら、それは本人が悪いんだと。 

「だって私たちはSKYソウル大学高麗大学延世大学の頭文字SKYをとって、一流大学という意味)じゃないもん」
「でも就職説明会のときに来てた先輩たち、見たでしょ。うちの学校からでも、いい会社にいっぱい行ってるよ」
「それ、みんな男じゃない。あんた、女の先輩を何人見た?」
ハッとした。目がもう一つ、バッと開いたような気分だった。言われてみればほんとにそうだ。四年生になってから、それなりの就職説明会や先輩の話を聞く会などには欠かさず出席してきたが、少なくともキム・ジヨン氏が行った行事に女性の先輩はいなかった」 

中でもいちばん絶望的だったのは学科長の答えだった。
「女があんまり賢いと会社でも持て余すんだよ。今だってそうですよ。あなたがどれだけ、私たちを困らせてるか」
どうしろって言うの?能力が劣っていてもだめ、優れていてもだめと言われる。その中間だったら中途半端でだめって言うんでしょ?

結婚してからも我慢して。 

「それで、あなたが失うものは何なの?」
「え?」
「失うもののことばかり考えるなって言うけど、私は今の若さも、健康も、職場や同僚や友だちっていう社会的ネットワークも、今までの計画も、未来も、(妊娠出産によって)全部失うかもしれないんだよ。だから失うもののことばっかり考えちゃうんだよ。だけど、あなたは何を失うの?」
「僕は、僕も……僕だって今と同じじゃいられないよ。何っていったって家に早く帰らなくちゃいけないから、友だちともあんまり会えなくなるし。接待や残業も気軽にはできないし。働いて帰ってきてから家事を手伝ったら疲れるだろうし、それに、君と、赤ちゃんを……つまり家長として……そうだ、扶養!扶養責任がすごく大きくなるし」
キム・ジヨン氏はチョン・デヒョン氏の言葉を感情的に受け止めまいと努力したが、うまくいかなかった。自分の人生がどっち向きにどうひっくり返るかわからないのに比べたら、夫が並べ立てたことはあまりにも些末なことに思える。

昼間の仕事のほとんどは趣味の教室か、または読書指導、作文指導、歴史指導など、子ども対象の講師の資格を取るための暮らすだった。余裕のある人は趣味に行き、余裕のない人は自分のでも他人のでも、子どもに何か教えてろというわけか。子どもを産んだというだけで興味や才能まで制限されたような気持ちになってしまう。弾んでいた心はしぼみ、無気力さがs押し寄せてきた。

ついに糸が切れたんです。
ぷつんとね。
おかしくもなりますよ。
今まで正気だったのが不思議なくらい。
この本はですね。
1982年に韓国で産まれたキム・ジヨンという女性が、
女性だっていうだけで差別され
我慢して我慢して我慢して…
ついに精神に異常をきたすまでのお話です♡

 

もうね、最後の毒がすごいんですよ。
ちなみにこれです。
丸々全文掲載します。

もちろん、イ先生は良いスタッフだ。顔は上品できれいだし、服装もきちんとしていてかわいい。気立てもいいし、よく気がつく。私が好きなコーヒーのブレンドや、エスプレッソ量もちゃんと覚えていて、買ってきてくれたりする。職員にも患者にもいつも笑顔で挨拶し、優しい言葉をかけ、病院の雰囲気をひときわ明るくひきたててくれた。でも、急に彼女が辞めることになってみると、この病院の他のカウンセラーに引き継ぎする患者より、カウンセリングそのものをやめる患者のほうが多かったのだ。病院としては顧客を失ったことになる。いくら良い人でも、育児の問題を抱えた女性スタッフはいろいろと昔い。後任には未婚の人を探さなくては……。

これ、どこがまずいかわかります?
わからないとちょっとアレです…
キヌが5秒添削したものを載せておきますね。

もちろん、イ先生は良いスタッフだ。顔は上品できれいだし(関係ない)、服装もきちんとしていてかわいい(関係ない2回目)。気立てもいいし、よく気がつく(なんだそれ)。私が好きなコーヒーのブレンドや、エスプレッソ量もちゃんと覚えていて、買ってきてくれたりする(そんなことさせるな、それはその人の仕事じゃない)。職員にも患者にもいつも笑顔で挨拶し、優しい言葉をかけ、病院の雰囲気をひときわ明るくひきたててくれた。でも、急に彼女が辞めることになってみると、この病院の他のカウンセラーに引き継ぎする患者より、カウンセリングそのものをやめる患者のほうが多かったのだ。病院としては顧客を失ったことになる(が、待遇を改善して引き止めるという頭はないのね?)。いくら良い人でも、育児の問題を抱えた女性スタッフはいろいろと難しい(は?)。後任には未婚の人を探さなくては……(は!??)

権利関係について心配した人、大丈夫です。
この文章ね?
本を最後まで読まないと、なにが毒なのかがわからない
んですよ。
読んだら心の底から、ぞっとしますよ。
なのでぜひぜひぜひ!!!(圧力
読んでみてください。
映画化も進行しているそうで、今からとっても楽しみです。
どうか日本でも観られますように。

 

 

読者登録やコメント、いつもありがとうございます♡

 

応援クリック、いつも励まされてます♡

 

この本を読んでいて、
人の痛みに鈍感 = 社会的強者か、その手先である
ということに気づきました。
だって自分は痛くないもんね。